リーマン予想
2005年 02月 25日

リーマンといってもサラリーマンのことではありません(笑)19世紀のドイツの大数学者のことです。若くして肺結核で亡くなったため業績は限られますが、いずれも現代にも通用する偉大な発見でした。
リーマンの業績で一番よく知られている(?)のはアインシュタインが「一般相対性理論」で用いた「リーマン幾何学」でしょうね。これはいわゆる「非ユークリッド幾何学」というもので、「一直線上にない点を通って、その直線と平行な線が一本だけ引ける」というユークリッドの原論第5公準を否定することによって生まれた新しい幾何学のことです。
それよりももっと凄いのが、32才の時に発表した「与えられた量より小さな素数の個数について」というわずか数ページの抄録のような論文です。これは当時の研究テーマの要約のようなものでしたが、この後健康を害したためか最終論分は結局発表されませんでした。ですが、この抄録の中だけにも驚くべきことが書かれています。
素数というのはご存知でしょう。1とその数自身以外には約数をもたない数のことですね。たとえば2とか5とか11とかです。1もそうなんですが、これをいれるとちょっとマズイことになるので1は素数には含まれません。要するに素数とはすべての自然数を構成している元になる数ということができます。なぜならどんな自然数でも素数だけの積に分解できるからです。
それでは「n番目の素数は何か?」という問題の一般的なな答えは見つかっているでしょうか?たとえば1番目の素数は2ですね。2番目は3です。それでは100万番目の素数は?これを即座に求める公式は残念ながら見つかっていません。順番に計算して100万番目の素数を調べるしか方法はありません。現代ならスーパーコンピュータなどで計算できますからある程度の大きさの素数はわかっていますが、n番目といってnを代入すれば出てくるような方程式はありません(将来発見される可能性はあります)。
リーマンが研究したのはこの式を求めるための下準備のようなものでした。pという素数があったとしたら、それより小さな素数は何個あるか?を求める一般式(正確にはもっとも精密な近似式)を作り上げたのです。そしてその中でひとつの予想というか、証明なしの仮定を使用しました。それが有名(?)な「リーマン予想」というものです。
「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である」
なんのこっちゃさっぱりわかりませんが(笑)、これがなんと150年以上経った今も未解決の20世紀の最大の難問といわれた「リーマン予想」です。「4色タイル問題」も「フェルマーの大定理」も20世紀についに証明されましたが、この「リーマン予想」はいまだに証明もしくは反証されていません。
これが正しいとどういうことになるかというと、「素数というのは我々の知識をはるかに超えた複雑な法則で並んでいるのだが、それでもデタラメにあるわけではない。きちんと規則に則って出来上がっているのである。ということは1から無限にある自然数もみんな同じ数というわけではなくて、ひとつひとつにちゃんと意味があるのではないか?自然数の本質の深遠がここから見えてくる可能性がある」ということらしいです。
ウーン、この辺のところがなかなか面白いというかロマンをかきたてられるのですが・・・数というのも不思議なものです。
by BigBlock-power
| 2005-02-25 19:00
| キザなお話(爆)